執筆者
星屋会計事務所
代表税理士 星屋 宏樹
略歴
- 1987年岐阜県立益田高等学校 卒業
- 1990年近畿合同会計事務所(現税理士法人近畿合同会計事務所)入所
税理士試験合格 - 1992年税理士登録(近畿税理士会 東淀川支部所属)
- 2005年星屋会計事務所開業
不動産から収入を得ている方、不動産を売却した方は、確定申告が必要です。不動産に関する確定申告には、賃貸収入に対する「不動産所得」の申告と、売却益に対する「譲渡所得」の申告があります。
不動産所得とは、土地や建物を貸し付けることで得られる所得のことです。アパートやマンションの家賃収入、駐車場の賃貸収入などが該当します。
不動産所得は、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
確定申告では、1年間(1月1日~12月31日)の収入と経費を集計し、翌年の2月16日から3月15日までに申告・納付を行います。
不動産所得の計算では、以下のようなものが必要経費として認められます。
など
経費をどこまで計上できるかによって、納税額が変わってきます。ただし、何でも経費にできるわけではありません。事業に関係のない支出を経費として計上すると、税務調査で指摘される可能性があります。
不動産所得の申告で、間違いやすいポイントをご紹介します。
建物の修理や設備の交換にかかった費用は、「修繕費」と「資本的支出」に分かれます。修繕費であればその年に全額経費にできますが、資本的支出は減価償却が必要です。
ご自身で申告されている方は、工事費用をすべて修繕費として処理しがちです。しかし、200~300万円規模の大きな工事は、資本的支出と判断されることがあります。その場合、15年程度かけて減価償却することになり、その年に経費で落とせる金額は大幅に減ってしまいます。
同じ市区町村に自宅と投資用不動産を持っている場合、固定資産税の通知書がまとめて届きます。投資用不動産の分だけを経費にすべきところを、自宅分まで含めて計上してしまっているケースが見受けられます。
飲食代などを交際費として計上している方もいますが、不動産を1部屋だけ所有しているようなケースでは、「事業に関係しているのか」と問われると認められにくい傾向があります。
譲渡所得とは、不動産を売却して得られた利益に対する所得のことです。売却価格から、取得費(購入時の費用)と譲渡費用(売却時の費用)を差し引いて計算します。
譲渡所得は、給与所得などとは分けて計算する「分離課税」となります。売却した翌年に確定申告を行い、税金を納付します。
譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって異なります。5年以下の短期譲渡は約39%、5年超の長期譲渡は約20%と、約2倍の差があります。
また、所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定されるため、実際に5年経っていても短期譲渡になるケースがあります。
自宅を売却した場合、税負担を軽減できる特例があります。代表的なものとして、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける「3,000万円特別控除」や、10年超所有していた場合に税率が下がる「軽減税率の特例」などがあり、これらは併用も可能です。
ただし、投資用不動産には基本的にこれらの特例は適用されません。
大阪市東淀川区・新大阪にある星屋会計事務所では、不動産所得・譲渡所得の確定申告に関するご相談を承っております。
「経費の計上方法がわからない」「売却したが申告の仕方がわからない」「特例が使えるか確認したい」など、お気軽にご相談ください。売却前にご相談いただければ、タイミングや特例の適用について事前にアドバイスすることも可能です。