執筆者
星屋会計事務所
代表税理士 星屋 宏樹
略歴
- 1987年岐阜県立益田高等学校 卒業
- 1990年近畿合同会計事務所(現税理士法人近畿合同会計事務所)入所
税理士試験合格 - 1992年税理士登録(近畿税理士会 東淀川支部所属)
- 2005年星屋会計事務所開業
事業を行っていると、消費税の申告・納付が必要になる場合があります。「自分は消費税を納める必要があるのか」「どのように計算すればいいのか」消費税の仕組みは複雑で、わかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか?
消費税は、商品の販売やサービスの提供に対して課される税金です。消費者が負担し、事業者が預かって納付する仕組みになっています。
事業者は、売上に含まれる消費税(売上税額)から、仕入れや経費に含まれる消費税(仕入税額)を差し引いた金額を納付します。この差し引きの仕組みを「仕入税額控除」と言います。
消費税を納める義務があるかどうかは、売上高によって決まります。
基準期間(原則として2年前)の課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者となり、消費税の申告・納付が必要になります。1,000万円以下であれば免税事業者となり、消費税の納付義務はありません。
ただし、インボイス制度の開始により、免税事業者であっても登録事業者になった場合は、消費税の申告・納付が必要となります。
消費税の計算方法には、「原則課税」と「簡易課税」の2つがあります。
原則課税は、実際の売上税額から実際の仕入税額を差し引いて計算する方法です。一方、簡易課税は、売上税額に業種ごとに定められた「みなし仕入率」を掛けて仕入税額を計算する方法です。
簡易課税を選択できるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者で、事前に届出が必要です。
どちらの計算方法が有利かは、事業の内容や経費の構成によって異なります。
例えば、経費のほとんどが人件費という事業者の場合、人件費には消費税がかからないため、原則課税では仕入税額控除できる金額が少なくなります。このようなケースでは、簡易課税を選んだ方が納税額を抑えられることがあります。
不動産賃貸業を営むオーナーの方も同様です。賃貸経営では、経費の多くが人件費や固定資産税、借入金の利息など、消費税がかからない支出で占められることが多いためです。
どちらが有利かは、実際に計算してみないとわかりません。事前にシミュレーションしておくことをおすすめいたします。
不動産オーナーの方が注意したいのが、駐車場収入の消費税の取り扱いです。同じ「駐車場」でも、契約の内容によって課税・非課税が分かれます。
駐車場として整備された土地を貸す場合、その収入は「課税」となります。アスファルト舗装や区画割りがされている駐車場の賃貸収入には、消費税がかかります。
一方、更地の土地をそのまま貸して、借りた側が駐車場として整備する場合は「非課税」となります。この場合は土地の賃貸(地代)として扱われるためです。
駐車場の課税・非課税は、実態によって判断されます。
大手のコインパーキング事業者などは、土地オーナーに対してアスファルト舗装まで行うよう依頼するケースがあります。契約書にも「駐車場として貸し付ける」と明記し、整備後の写真を残しておくなど、「駐車場としての貸付である」ことを明確にしています。
これは、パーキング事業者側が仕入税額控除を行うためです。土地の賃貸(非課税)として処理されると、消費税の控除ができなくなり、事業者にとって大きな負担となるためです。
土地を貸している方は、契約内容や実態を確認しておくことが大切です。
消費税の申告・納付期限は、個人事業主と法人で異なります。
個人事業主の場合は、翌年の3月31日までに申告・納付を行います。法人の場合は、事業年度終了の日から2か月以内が期限となります。
また、前年の消費税額が一定額を超えると、中間申告・中間納付が必要になる場合もあります。資金繰りに影響することもありますので、事前に把握しておくと安心です。
大阪市東淀川区・新大阪にある星屋会計事務所では、消費税に関するご相談を承っております。「課税事業者になったがどうすればいいか」「簡易課税と原則課税のどちらが有利か」「駐車場収入の取り扱いがわからない」など、お気軽にご相談ください。
消費税は計算方法や届出のタイミングによって、納税額が変わることがあります。早めにご相談いただくことで、適切な対応が可能になります。